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八幡飛行神社~二宮忠八の功績を讃えて~ [日常]

1月11日、今日は久々に寒さが落ち着き、お空もとても良い天気。
ふと思い付き、『らくがき寺』にでも出掛けてみようと言う事で、いざ出発[車(RV)][ダッシュ(走り出すさま)]

あと、昨日届いたレンズ、ニコンのAF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR の試し撮りも兼ねています。

ところが、いつもは無料駐車場のらくがき寺、正月の参拝客用として駐車場を開放しているようで、
八幡特有の『駐車場で一攫千金モード』に入っていました。
だって、1000円も取るって言うンですから、そう言われてもしゃあないでしょ。(石清水八幡宮の頓宮脇駐車場に至っては、
普段1000円のバス駐車料金が、3000円に跳ね上がるし・・・(一般車両は500円から1000円へ)。なので周辺で空き地を
持っている連中が、にわか駐車場屋に変身するんですわ。土日祝日は呼び込みで溢れかえるし(1月と花見シーズンなど))

‥って事で、いつでも行ける所だし、今日は急遽行き先を『飛行神社』へと変更しました。
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日本で最初に神力飛行機を設計した人が、私財を投じて建てた神社なので、そこには彼の資料館もあります。
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我が町八幡市は、エジソン所縁の竹だけではなく、この、飛行機の歴史にまつわる大切な人物に由来する神社
飛行神社』もあるンです。以下、八幡市観光協会のWEBより抜粋。

飛行神社は、大正4年(1915)、航空界のパイオニア、二宮忠八が八幡市八幡土井の自宅邸内に創建したのが起こりである。 忠八は、慶應2年(1866年)6月、愛媛県八幡浜に誕生。独学で作った凧は、独創的かつ奇抜で「忠八凧」と呼ばれた。明治20年(1887)12月、丸亀歩兵連隊に入隊。四国山岳地帯で演習中、烏が残飯を求め滑空する姿に興味を示し、空を飛ぶ機械の発明に大きなヒントとなった。以後、研究を重ねて明治24年(1891)4月29日、日本人初のゴム動力による「カラス型飛行器」の飛行に成功。次に人の乗れる玉虫型飛行器を考案に着手。明治26年(1893)に設計を完了し、軍で研究開発してもらおうと願い出たが却下され、独力完成を決意。資金を貯え、自力で飛行機開発の条件が整った明治33年(1900)、京都府八幡町に土地を求め、開発に努力していたところ、明治36年(1903年)12月17日、ライト兄弟が飛行機を完成させ、飛行に成功したとの報を聞くことになった。忠八は無念の涙を流し、「飛行機を作ったとしても真似という評価しか受けない」と製作を断念したという。

参拝は、午前9時から午後5時まで。
資料館の見学は午前9時から午後4時まで。入館料300円。

【住所】 八幡市八幡土井44
【電話番号】 075-982-2329
【WEBSITE】http://www.enrichen.co.jp/hiko/

と言うことで、資料館にも入ってきましたので、その中を中心にご紹介しましょう[るんるん]
では、早速皆さんと散策してみましょ~[るんるん]

尚、各画像は大きなものが見られますので、見たい画像をクリックしてネ[ひらめき]


          [飛行機]   [飛行機]   [飛行機]   [飛行機]   [飛行機]   [飛行機]   [飛行機]


車で来た人は、この『神社資料館下車庫』へと入ります。
初めてだと判りにくいかも知れませんが、手前の地上駐車場ではなく、その北手から入ります。

京阪八幡市駅からなら、徒歩で10分弱で到着です。
駅前のロータリーを東へ50m程行くと、信号機のある交叉点があるので、そこを南へ折れて最初のT字路を
過ぎた西手にあります(看板が出ています)。


正面を入ると、最初にお出迎えしてくれるのはジェット機のエンジンです。
でっかい[exclamation]
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反射がきつくて、年末に仕入れた『C-PLフィルター』を使ってもこれくらいまでしか反射を抑えられませんでした。


二宮忠八さん由来であれば、ジェットエンジンよりもレトロなアナログの飛行器
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この上が本堂のある祭壇で、向こうに見えているのが資料館。


神社参拝前に、境内のお庭散策から始めますね。
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ジェットエンジンの北手にある飛行機の祀り場所。


お庭のお手入れも綺麗です。
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プロペラをモチーフしたオブジェがあります。
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ジェットエンジンの横には、岸和田沖で漁師の網にかかって見つかった零式艦上戦闘機の先端部分が置かれています。
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1,2,3,4,・・・
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7発のエンジンが、滞空時間で有利な双発になっています。


エンジンブロックをアップで。
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一部シリンダーがぶっ飛んでいて、中のピストンが飛び出しています。
スペースや重量の関係からか、ピストンのエラ部(スカート)は短くなっているんですね。
高回転で暴れそうな気がしますが、水平対向の奇数発なので干渉やら共鳴(不要振動)は抑えられているのかも。


曲がったプロペラを見ていると、胸が張り裂けそうな気分になって仕舞います。
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幼稚でバカな中国は、戦争の遺恨を理由に未だに粋狂な事をネタに粋がっていますが、この残骸を前にしていると、
当時の時代で全て終わりにしてあげる事が、多くの犠牲者への弔いになると考えますけどね。


では、手水鉢(ちょうずばち)の神水で手を清め、祭壇へと向かいましょう。
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鳥居側から入ります。
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飛行神社のこの鳥居や大屋根の飾り瓦類は、航空機の質感に肖ってか、ステンやトタンなどの金属製になっていました。


本殿。
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西洋チックに見えますが、傍で見ると純和風です。


二宮忠八さんは、後に製薬会社社長にまでなられた方。
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私財を投げ打って立てた神社なので、薬品関係のお祀り事も兼ねているようです。


なので、飛行神社の御祭神は、
・饒速日命(にぎはやひのみこと)
・航空殉難者の諸神
・薬祖神
となっています。
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『饒速日命』は日本神話に登場する神様で、「天磐船(あめのいわふね)」に乗り天から下り立ったとされています。
このことから空の神様、飛行機の神様として航空関係者から篤く信仰されているそうです。
ここ八幡市から南西の方角にある大阪府交野市には、饒速日命を御祭神とする「磐船(いわふね)神社」があります
(京阪電鉄交野線の『河内森駅』とJR学研都市線の『河内磐船駅(かわちいわふねえき)』)。
ここはまさに天磐船とされる舟形の岩を御神体としてお祀りしています。高さも幅も10mを超える大きな岩なので、
今流行のパワースポットとして注目を集めているようです。

中央に饒速日命、左側に薬祖神、右側に航空犠牲者がお祀りされています。
この神社を創建した「二宮忠八(にのみやちゅうはち)」さん(以下「二宮忠八翁」)は、先に申しましたように明治時代の人物で、
日本で初めて動力付き模型飛行器の飛行実験に成功した人です。その後も飛行器の研究を続けてますが、ライト兄弟が有人
飛行に成功したことを知ると、扉説明に書いた理由から研究を止めてしまいます。しかし、本格的に飛行機が開発されてから
事故が多発するようになった事に心を痛めた二宮忠八翁は、犠牲者の霊をお祀りする為、私財を投じてこの飛行神社を創建
したのだそうです。

薬祖神の方は、二宮おじ様が製薬会社(大日本製薬株式会社)に勤めていたことによるもので、薬業の祖神として崇められる
『武田長兵衛(たけだちょうべえ)』をお祀りしているものです。
武田の名から判るように、武田薬品工業の創業家である武田家が代々襲名してきた名前が『武田長兵衛』なのだそうです。

本殿で礼を済ませると、、、


資料館へと向かいます。
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入って右側のスライドドアを開けると、中は展示物で一杯です。
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ここでビックリしたのは、二宮忠八翁は絵が上手だったんですね[ひらめき]
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飛行器を作る上でカラスの絵を描いていた・・・と言うだけじゃ無く、他にも沢山の作品が掲げられていたので驚きました。


これが、カラスを見て考案していた第一号機の模型(復元タイプ)。
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明治22年、香川県のもみの木峠演習場で、たまたまカラスが横切っている姿を見て、人間の飛行可能原理に着想。
この模型を作って、プロペラをゴム駆動させ飛翔するのに成功したそうです。記録を辿れば、世界最初の発明となるもの。


これが二宮忠八翁の挿絵がある色紙など。
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すてき[かわいい]


その下に展示されていたのは『顕微鏡』。
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玉虫は、甲殻の羽根を閉じたまま飛行する事は、今や周知の如くですが、その事に気付いた二宮忠八翁は、
玉虫をその生態から調べようと考えて、薄羽の研究をするのに使ったりしたものですね。


玉虫を研究して生まれた飛行器。
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明治26年にこの機体を元に人が乗れる機体の設計図を完成させ、軍に援助を求めるも相手にされず、その後自分で頑張って
いたところ、その7年後にライト兄弟が実戦したことから、二宮忠八翁の歴史が狂う(変化する)きっかけになるンですね。
無念の象徴。。。にも見えてきます。


陸軍大臣に就任された『川島義之』さんが、就任報告で参拝に訪れた際の記念撮影みたいです。
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川島義之大将(最終階級)は、愛媛松山の中学で夏目漱石の教え子だったそうです。


この立派なフレマト髯(フレンドリーマトンチョップス:頬髯)おじさんは、大日本帝国陸軍長岡外史陸軍中尉。
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二宮忠八翁が、神力飛行機試作品の設計図を提示し、先を読んだ空中戦への誘いを込めて提案したものの(当初は偵察目的
を濃く推していたらしい)、夢物語のように感じた軍関係者はそれを許可しなかった。そのトップがこの『長岡中尉』だった。
しかし、その7年後にライト兄弟が飛行機を飛ばし世界を席巻した事を知り、己の先見の無さから、二宮忠八翁、若いては
大日本帝国が最初に成し得る筈だった偉業を妨げてしまった事を恥じ、遺憾の意を込めて侘びを申し出て来られたそうです
(写真の添え書きには「書面(書翰/書簡)で送られてきた」とあるが、面会にも来られたとの事)。

長岡中尉が現役だった時代は(昭和8年没)、大日本帝国陸軍もまだまだ粋な人材が多かったのかも知れませんね
(第二次世界大戦終盤の帝国軍人幹部からは想像が付かないけど)。


再度二宮忠八翁の描かれた『饒速日尊神像』の絵ですが、これなんて中国水墨画そのものって感じですよね。
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二つ名は『幡山』。
ナルホドって感じです。


等身大肖像。
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上には飛行模型も。


飛行模型を、二宮忠八翁滑めゴキ眼でパチリ。
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手紙やら表彰状やらも色々並んでいます。
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二宮忠八翁の親友で、後に陸軍大将男爵になった白川義則氏による牌額『合理飛機濫觴』の写し。
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二宮忠八翁の生まれ故郷、愛媛の八幡浜市にある斐光園に立てられた記念石碑に刻まれているもの。
当該園の名前は、二宮忠八翁の偉業を讃えて帝国飛行協会から贈られた「斐々有光」の書にちなんで名付けられたそうです。


その親友『陸軍大臣白川義則大将』の在りし日の姿。
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日支事変(現日中戦争/旧支那事変)の時、上海にて陣没(戦死)されたそうです。


三幅の見事な掛け軸。
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幡山や飛行翁の二つ名が見られます。


二宮忠八翁ご夫妻。
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影響を受けた人たちの色々な資料なども。
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第二次大戦時の「特攻寿部隊」所属隊員が自爆した時に東シナ海に散った飛行機の垂直尾翼。
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同隊の近藤氏によって偶然発見回収されたものらしい。


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切なくも虚しい。。。


資料館全景。
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その先には、もう一つ小さな部屋があります。
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(唯一のストロボ撮影。奥が暗くなっちゃいました・・・やはり、ストロボ撮影はパス[もうやだ~(悲しい顔)]


模型飛行機だらけでした。DSC_6616.jpg
10mm広角で部屋全体をパチリ[カメラ]


本物の什計器など。
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陸軍航空本部からの寄贈品。


こちらは航空自衛隊からの寄贈品。
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お!
JSAT衛星がありました!
スカパー担当者でしたので、散々調べましたし、資料やFAQシート作成用に絵まで描いた事があります。
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その他、携帯電話の衛星なども展示されています。
衛星と言う事は、その打ち上げに使うロケット類も、飛行するものとして祈願の対象だと言う事で、
色々なロケット打ち上げに際して祈願祈祷を頼まれるようです(入口にロケットの写真が有りましたが、
関係者が居られたので後回しにしたら撮り忘れて仕舞いました)。


おお!
小さな『はやぶさ』も♪
来られたかどうかは存じませんが、御利益あって戻って来ましたね♪
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はやぶさとスペースシャトルの夢のコラボ~♪
では、この辺で資料館からさようなら~(@^^)/~~~。



友人だった陸軍大臣白川義則大将の三男、白川元春氏によって建てられた石碑。
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氏は、大日本帝国陸軍軍人を経て、戦後は航空自衛官だったようです。
第11代航空幕僚長、第8代統合幕僚 会議議長を勤めた方で、平成20年没。


さて、そろそろ引き上げたいと思います。
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資料館の天辺にある、飛行機型の風向計。


資料館全景。
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この下に置いてある車で帰宅しました。

結構内容の濃い神社でしたね。
神社って言うより、その神社を含めて丸ごとが二宮忠八翁資料館ですよね。

我が町に居た偉人さんを再確認した日でした[かわいい]

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