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新疆人阿里木心中有天堂 [大陸情況]

陌生新疆維吾爾人「阿里木」。以徳報徳,譲人間充満愛!

羊串肉(シシカバブ)を売り続ける一人の新疆維吾爾人。
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貴陽市の片田舎で、その彼が取った一つの行動が一大センセーションを巻き起こし、
やがて故郷へ飛び火、人々に感動を与え人間の基本を目覚めさせるにまで発展した。

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「阿里木」の名前の維吾爾文字by こまちゃん




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(阿里木さん直筆の維吾爾文字で書かれた新年の挨拶文)

1月末に出た「中国書画報」の記事に、一人の維吾爾人のすばらしい話が載っていました。
なぜ、その「徳」を実行している維吾爾人の逸話が「中国書画報」と言う絵画系の新聞に載っていたのか
と言うと、彼を大々的に支援した人が、新疆に住む一人の絵描きさんだったから。

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話しは、一人の維吾爾人が、山火事の救援に参加する為にやってきた「貴州省」に居着いて、羊肉串
(カバブ)を売り始めるところから始まります。
その、人の慈愛に満ちた鬚おじさんの名前は「阿里木(アリム)」。
新疆自治区巴音郭楞蒙古自治州和静県乃門莫墩郷(庫爾勒の北80kmの町)出身、37才独身。
地図:http://map.baidu.com/?newmap=1&ie=utf-8&s=s%26wd%3D%E4%B9%83%E9%97%A8%E8%8E%AB%E5%A2%A9%E4%B9%A1%E5%8D%AB%E7%94%9F%E9%99%A2
(「巴音郭楞蒙古自治州(1)」の文字をクリック)

彼は貴州で8年間カバブを売り続けてきましたが、儲けたお金を毎年「恵まれない子供の通う学校」へ
寄付していたんです。そして彼自身は、家とも呼べないあばら屋の片隅で、半ば野宿のような生活で日々
を過ごしているという、ちょっと信じられないくらいの感動劇が実際に行われていたのでした。
貴州省の卒節と言うところは、省都の貴陽同様、かなり冷え込む寒い地区ですので、幾ら彼が北の新疆
出身と言えど、家族と一緒に住んでいた故郷と、たった一人で流れ着いて住んでいる貴陽とでは、気温的
な寒さが同じであっても、心が感じる物は違ってきます。

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貴陽で過ごした8年間、最初は、自分が出来る事なんて無いに等しいが、カバブを売って集まった僅かな
お金を、少しで良いから役に立てたいと、自分の今の置かれている生活環境も省みず、みなしご学園
「卒節学院」に寄付しようと思い付いたのでした。火事の救済で知った沢山の悲劇。何かをせずには
居られなくなった彼の心には、どんな天堂が拡がっているのでしょうか・・・

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それを知った同郷新疆の画家「趙万順(漢族)さん」は、地元新疆で、
「阿里木さんの行動に感動した!私の絵をオークションに掛けますので、それを買って下さい!
それで得たお金を、全て阿里木さんへ送り、彼の志を支える為にも、彼自身の生活自体、普通の
生活が出来るようにして上げたい!」
と旗揚げしました。

阿里木さんの行為と趙万順さんの熱意に感動した人々によって、絵のオークションの収益は
「38.15万元(約480万円)」に!
そのお金は、買って呉れた方々に対して公平さを証明する為にも、阿里木さん本人を新疆に呼び寄せ、
彼ら本人同士が対面し、テレビやラジオも協賛して譲渡式を行いました。
この事で、同族の維吾爾人のみならず、全ての新疆人が感動し、果ては全中国が感動の渦に巻き込まれ、
「彼の精神を見習え!」と言う事態になったとのこと。

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阿里木さん、きっとこのお金も大半は寄付しちゃうと思います。
8年間も、自分の事を全く省みないでやってきた事に、何も貧しいとか寂しいとか考えなかった
ようですし、自分が生きている事は、すべて「以徳服人(人の為に尽くす事)」に尽きると考えて
いるそうです。
そこに登場した趙万順さんの素敵な奉仕とが合わさって、「以徳報徳,譲人間充満愛」と銘打った
記事になって、こまの目にも触れたと言う経緯です。


原文記事はこちら
http://www.shb-china.com/news/news-hot/2011-01-31/2792.html
http://www.jyyslt.com/thread-10509-1-1.html

その他の関連記事
http://www.tianshannet.com.cn/news/content/2011-01/16/content_5532327.htm
http://www.xj.xinhuanet.com/zt/2011-01/17/content_21879889.htm
http://www.wenming.cn/ddmf_296/sbhr/hrhs_2173/201101/t20110125_60166.shtml

関連記事はこちら(写真付き)
http://news.163.com/11/0130/15/6RLJ0OL500014AED.html
http://www.wlmqwb.com/2860/csxq/201102/t20110215_1645337.shtml

関連報道ビデオはこちら
http://video.sznews.com/content/2011-01/30/content_5312661.htm

~阿里木さんの言葉より~
私のこのささやかな行為で、新疆維吾爾族の印象が改善される事を期待します。そして、同胞民族
にも良き環境が巡ってくる事を信じています。
そして私はこの行為を止めることなく、今まで通りに続けて行きます。決してお金や教育に恵まれ
ない子供達が失望しない為にも。幾らそれらが無くても、こうする事で理解し合えた者同士は、
素質(常識など)が育ってモラルの高い人間になれると信じていますから。
そしていつか卒節市に、こうした子供が気兼ねなく学べる学校を自分の手で作りたいです。


阿里木さんの貴州での様子
http://tv.sohu.com/20090304/n262602313.shtml
http://www.letv.com/ptv/vplay/1063305.html
これらは貴州衛星放送の取材ビデオですが、本当に感動ものです。
ビデオの最後に、「我希望“嫁給我不打麻将的老婆”(麻雀をしない奥さんが欲しいです)」と有りますが、
37才で独身の彼(バツイチ)、一度傷付いた経験があるようで、色んな意味からこうした言葉が出たようですね。
中国人女性の麻雀は、お金や時間の問題に限らなくて、生活を省みないで遊びほうける事に発展する場合が多く、
それを見ていて生理的に受け付けないのでしょう。何となく判る気がします。あの光景は、端で見ているだけで
「グータラ」に見えます(大股開きで大声張り上げて、教養の欠片もないような姿です)。


いやはや、丁度日本でも、昨年クリスマス辺りから、タイガーマスクの「伊達直人」を名乗る慈善者が現れて、
日本全土を震撼した所ですが、お隣の中国では、日本の伊達直人よりも、その生い立ちや生活環境、そして
彼自身の慈愛に対する考え方が全くずば抜けてて、遙かに凄い人が居たんですね。
しかも、中国に於いては敬遠されがちな民族による行為。本当に感動です・・・

民族人種を越え、こうした人の努力が報われる時代が来て欲しいです。


日本のバカメディアは、中国のこうした事情を見付けて報道するような事は殆ど無く、
歪んだ事を見付けては嗾けて、蜂の巣を突く行為をしてはしゃぐだけ。。。
良い事も探しどちらも評価すると言うバランス感覚が全く無く、どっちの常識やモラルが
疑われるのか・・・とても恥ずかしい次第です。


サムサ

貴州衛視のビデオでは、年々取材したものを繋いで、過去から今までの記録を一度に見せてくれました。
2002年に来た当時は、今のような髭は生やさず、長い髪の毛で、何となく流行歌手のようなスタイルで、
漢族にも見える感じにしていたみたいです。
その年に経験した大山火事で、その救済活動に参加した彼は、そこで何かを感じたそうです。

やがて、経済上の問題も伴い、色んな事に構ってられなくなった頃くまさんに変身。
一人の男性に巡り会い、借りた100元をきっかけに、カバブの屋台をする事になります。

そして、少ないながらも稼いだ「羊肉の匂いがするお金」を500元、地元「卒節市」の、恵まれない子供
だけが通う学院へ出かけて寄付しました。自分の生活もままならないのに、山火事の経験って、
そこまで彼を奮い立たせるものなのか不思議でした。そこで儲けたお金を、山火事や貴州の経済事情
などから知った悲惨な現実(子供が置き去りにされ孤児になる等)から、維吾爾人が取る行動なので
相手からどう思われるか判らないけど、その収益の大半を持って行ったのでした。

接客してくれた女性の先生が、突然泣き崩れて感動してくれたのを見て、これっぽっちのお金じゃ
何も出来ない筈なのに、ただ純粋に喜ばれた事で、自分も何かの役に立つのだと一念発起、更に彼の
慈善心に火が点いたようです。本人さんにとっては、ごく当たり前の事なのだそうで、他人から見れば
「少し頭がおかしいのでは?」とも思える彼のがんばり方だったようです。

拌麺(ラグマン)

最初は数百元でしたが、直ぐに千元を超えるようになりました。
その後は、毎年12月になったら、羊肉の香りがする細かい紙幣をかき集め、5000元を持って行けるまでに
なったようです。学長で党委員会の湯宇華書記も、彼と同額の費用を加算して、一緒に寄付をするように
なっています。
中国国内で最も貧困者が多く、町自体も貧乏な事で有名な「貴州省」に於いて、国からお金を慈善事業
として捻出する事は、決して容易い事ではない筈なのですが、天使の居る町には、それに心を動かされる
人間も居るんだと言う事なのでしょう。

この一連のドキュメンタリーを取材した記者が、

「阿里木的這5000塊銭・・,就是大大小小的紙幣上,還有羊肉味儿・・・」

と言った後、カバブを焼く阿里木の煙った顔。。。途中何度ウルウル感が込み上げてきた事か・・・。
父親を亡くした少女を、他人の彼が面倒見始めてウルウル・・・思わずチケット買って出かけそうになりました。
しかし、、、言葉で表せない感動だけど、行くだけのお金がある事で、良くないイメージを残しはしないか、
若しくは、そんな事など全く関係なく手放しで喜んでくれるか。。。

気持ちは、彼に会って感動した事を伝えたいし・・・
でも、会ってもただ抱きついて帰ってくるだけだと思いますが・・・(^_^;

ナン

   [満月]   [満月]   [満月]   [満月]   [満月]

数日後、やはり居ても立っても居られないので、画家爺ぃさんと一緒に3月10日の朝便で、貴陽へ飛ぶ事にしました!!

目的はただ1つ!!
阿里木さんに逢って抱きついてくる事!


維吾爾語が出来る爺ぃが居れば百人力。
ウチの熊猫絵描きは、単に話せるだけじゃなく、モスリム教育も受けた事がある上に、幼少時代から企業内での
管理者としても維吾爾人と共に育ち、苦楽を共有してきたと言う特殊な経験を持つ、一種独特な漢族です。
中国人が取材に行くよりも、もっと有意義な対話が出来る筈です。


最後に、、、
阿里木さん、家は買えたようですね。
http://xj.ce.cn/Article_Show.asp?ArticleID=66141
(この事は、このブログに紹介したURLを、記事に興味を持って見てくれた方にしか意味が判りません)

   [新月]   [新月]   [新月]   [新月]   [新月]   [新月]

オマケで、彼の故郷に伝わる「十二木卡姆」の紹介です。

第三回「十二木卡姆文化芸術節」:
http://www.ccots.com.cn/2008_3/7_19/zmv9fznx26i0_3_0.htm

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第六回「十二木卡姆文化芸術節」:
http://www.tianshannet.com.cn/news/content/2010-10/15/content_5304822.htm

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氷祭り:
http://blog.xj163.cn/article.php?uid-54-tid-41259.html

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十二木卡姆文化芸術節のロゴマーク
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十二木卡姆の絵画で有名な絵。
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新疆自治区喀什地区莎車県の人々が、懸命にこの伝統音楽を伝承し続けてきたお陰で、2006年頃に
無形文化遺産に認定されました。
こうした、文化を重んじる心と人間に対する精神などが、真実の形で表面に出てくれば、維吾爾人に
対する世界の人達の見解が、良い方向へと変わると思います。

東トルコ民族の彼らは、そもそも他のイスラム圏の人々と顔形も文化も宗教も同じなので、全てが
同じとしてみられがちですが、ユダヤの系統を受け継ぐ彼らが、トルコ人同様に、同系民族の中でも、
秀でた文化人である事に違いは無いのです。

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